ラブホ童貞(3)

前回更新してからずいぶん期間が空いてしまいましたが、ラブホ童貞の話の続きです。


ついに部屋に入った私たちですが、一番ランクが高い部屋とあって、綺麗なことはもちろん、無駄に広く設備も充実していました。


彼は「えー!!これがラブホなんだ!すげー綺麗じゃん!てか、コンビニで色々買ったけど持ち込んで大丈夫なの?」

とラブホ童貞らしくはしゃいでいました。これ演技だったら悲しいな。関係ないけど買ったもの持ち込み不可だったらかなり辛くない?


そこからはカラオケやったりゲームやったり、ひとしきり楽しみました。これは普通に楽しかった。


彼にお酒を飲ませて早いうちに寝かせてしまおうと考えていた私は、買ってきたお酒を彼に飲んでもらっていい気分になって頂き、彼とは一定の距離を保っていましたが…


やっぱりラブホテルに来てしまった以上、その先の行為のことを考えずにはいられないですよね。彼の方は。


一緒にお風呂に入ろうと執拗に誘われ断り続け、2時間ほど格闘しました。時刻は0時をまわった頃でした。


私も彼も戦意喪失してきた頃、彼は「どうしてもおっぱい触りたい。5万払うからおっぱい触らせて」

とプライドを捨てて懇願してきました。驚いた私は


「おっぱいに5万?!それはおかしい!!!」と叫んでいました。

いや、おっぱいに5万は払い過ぎですよね?この人どんだけ飢えてるんだよって…


「金銭授受は問題あるし無理だよ」と諭すと、彼は


「じゃあどうすれば俺とエッチしてくれるの?付き合えばいいの?セフレになればいいの?」とまた訳の分からないことをまくし立ててきました。

ちなみに彼はパンツしか履いていません。裸です。


「そういう問題じゃないよ。しないものはしない」と返すと


「じゃあわかった。もうなんでも言うこと聞く奴隷になる。それならいいでしょ?」

彼は頭を抱えて苦しげにそう言いましたが、いや、頭を抱えたいのは私の方。奴隷って何?性の奴隷ってこと?


まず、人との関係性を構築する上で奴隷という概念がなかった私は困惑しました。


「奴隷?奴隷って何…」


「俺も分からないけど…」


「なんかもう疲れた…」


「眠い」


こうしてパンイチ男と私の攻防は、彼の奴隷宣言によって幕を閉じました。


この時すでに午前4時。限界だったので私はソファで寝ました。寝心地悪かった。でも他人と一緒の布団で寝る方がもっと寝心地悪い。


彼はひとり ベッドで寝たようです。


翌朝、駅の改札まで送って頂き、別れ際に彼は「呼ばれたらいつでも飛んで行きます。俺は奴隷なんで」と言っていました。


その後、会えばすべてお金払ってくれるしなんでも言うこと聞いてくれるし、完全に奴隷です。


しかしそれではあまりに心苦しいので「奴隷じゃなくて彼氏になる?」と訊いたら


「付き合うと気を遣わなきゃいけなくなるから奴隷のままでいさせてください」

と懇願されてしまった。奴隷だったら気を遣わなくていいってこと?思考回路がショートしてんじゃないのかな。


しかし私は奴隷の扱い方がわからない(当たり前)ので、困惑し続けています。


よい扱い方があれば是非教えてください。